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【書評】感謝と愛情こそが人として最も重要な要素|僕は明日もお客さまに会いに行く。川田修作

こんにちは阿吽です。今回は「かばんはハンカチの上に置きなさい-トップ営業がやっている小さなルール-」を出版し、世界で話題になった川田修氏が手がけた「僕は明日もお客さまに会いに行く。」を紹介します。

僕は明日もお客さまに会いに行く表紙
僕は明日もお客さまに会いに行く表紙


僕は明日もお客さまに会いに行く。の概要

営業に関する内容で、ストーリー仕立てになっています。営業に関するテクニック紹介ではなく、仕事をする上で大切な「根本的なこと」、人として「最も大事なこと」が描かれています。営業職の人だけではなく、社会で生きている全ての人に読んでほしい作品です。山野井という営業トップの人が三井という一般の営業マンを成長させていく物語です。

相手の立場になって考える

頭の中で分かってはいても実際行動に移せている人は数える程でしょう。これは営業という職業に限らず言えることです。学生なら、レポートを評価する教授の立場に、サラリーマンならプレゼンテーションを聴く側の立場に、家族なら奥さんの立場に、と様々考えられます。愛情を注ぐ人への立場になることは容易でしょう(下に例示します)。しかしそれが少しでも関係が離れると、相手の立場になって考えられなくなる人が多いものです。人間関係に置き換えてみると分かり易いかもしれません。あの人とうまくいかないのはなぜなのか、もう一度相手の立場になって考えると解決するかもしれません。

営業の例

・金曜日の午後にアポイントを取った取引相手、予定では2時間の猶予があった。しかし、急な出張が入り1時間しか時間がとれないことに。。(山野井の取引相手で、三井は付き添い)

山野井
話を45分で切り上げ、別の日にアポイントをとる。
三井
1時間きっちり商品の説明をすべきと言う。どうして早く切り上げたのか?
山野井の考え
週末の夕方に急な出張が入るということは、何か重要なことだと考える。1時間は大丈夫だと言われたとはいえ、それは山野井への気遣いかもしれない(急なキャンセルは申し訳ないと考える)。相手の立場・状況を想像することができれば、早めに切り上げるべきだろう。

身の回りの例

山野井
彼女とデートをする日だったとしてね。待ち合わせ場所に行ったら彼女が「ごめん、今日仕事でトラブルがあって、このあと会社に戻らないといけないの。1時間だけ一緒に食事してすぐに行かなきゃいけないけどいい?」って言われたらどうする?」「その状況で食事する?」
三井
「大丈夫?って心配になります」「しないです。。」
山野井「食事どころじゃないだろ?いいよ、今日は早めに戻って準備とかしな」っていうだろう?それと同じだよ。

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お客さまは信用できる人に問題を解決してもらいたいと思っている。自分には知識がないから、自分の立場に立ってものを考えてくれる、信用できる人を探しているんだ。つまり、営業とは商品を売ることよりも自分という商品を売ることを指す。<<
もし立場が逆だったら考えたら、人を選んで買うということになるでしょう。同じ商品やサービスを購入するとなって場合、その判断は売り手になるでしょう。どういった人から買いたいのか、信頼できるのかということを考えるはずです。

感謝と愛情の心を持つ

僕は明日もお客さまに会いに行くテーマ
僕は明日もお客さまに会いに行くテーマ

ひとつひとつの行動が大切なんじゃない。お客さまに対して「感謝の気持ち」と「愛情」を持って接することができているかどうかなんだよ。当たり前を当たり前と思わないこと。本来、有ることが難しいこと。つまり有り難いことなんだよ。有り難いことなのに、みんな感謝することを忘れてしまっている。

誰だって一日は24時間、一年は365日。時間は限られていて出会える人の数だって無限ではないよね。出会ったこと自体が奇跡なんだよ。自分の前に座って話を聞いてくれている、それだけでもありがたい、感謝すべきことなんだよ。

まとめ

2.3時間あれば一気に読むことができて、最後は感動させられます。この本を通して、物事は心の持ちようによって変わってくるということが深く身に染みました。営業マンの心得として読むのもよし、物語として読むのもよし、考え方を変えようと読むのもよし。ぜひ一度手にとって読んでいただきたいです。