R指定がない映画の中で最上級クラスのグロテスクシーンがある映画「ミュージアム」感想|漫画版と異なる点も紹介
原作からの映画は原作を見てから映画を見る派の阿吽です。
原作見たけど映画は見てないよ!という方や映画は見たけど原作見てないよ!という方におすすめの記事です。ごゆっくりご覧ください。
映画ミュージアム内容
2016年に公開されたサスペンスホラー映画。2013年から「週間ヤングジャンプ」で連載された原作「ミュージアム」を実写化したものです。
◆あらすじ
現場に謎のメモが残される猟奇殺人事件が矢継ぎ早に発生するが、その事件は雨が降る日のみ起こっていた。一連の事件の関連性を察知した沢村久志刑事(小栗旬)は、自分の妻子が狙われていることを知る。やがて、カエルのマスクをかぶったカエル男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、カエル男の仕組んだわなにはめられ窮地に陥り……。(シネマトゥデイより引用)
映画ミュージアムキャスト
ミュージアム5つの刑
カエル男に殺される被害者には2つの共通点があります。1つ目は、殺害現場に〇〇の刑という紙が置かれている点。2つ目は、幼児樹脂詰め殺人事件の裁判員と裁判官である点です。当時死刑を宣告された人は冤罪の罪を被り自殺します。真の犯人であるカエル男は、自分の作品(殺害)を他者に取られたという怒りから怪奇殺人事件を引き起こします。
ドックフードの刑
生きたまま3頭のドーベルマンに食い殺される刑です。映画では両手を吊り上げられて、頭や腹、足が食べられやすい格好でした。
一方漫画版では、首輪の付いた鎖に繋がれ犬に食い殺されるという、非道的な方法でした。
母の痛みを知りましょうの刑
母の脛をかじりまくっているデブのオタクが、出生体重分の肉を剥ぎ取られて殺される刑です。家から連行され死体発見までの流れは原作と同じです。
均等の愛の刑
身体を縦に真っ二つに割って、家族と愛人の元に宅配便として送り届ける刑です。こちらもほとんど再現されていますが、愛人がOLからキャバ嬢に変更されています。
ずっと美しくの刑
直立したまま凍らされた死体になる刑です。こちらも忠実に再現されており、1番異様な絵になります。
針千本飲ますの刑
大量の針(1000本?)を飲まされて殺される刑です。絵的には1番グロテスクでした。原作は画鋲でしたが映画は小さい針に変更してあり、想像上の姿を見ることでリアルな痛みを感じられます。
映画と漫画の相違点
・沢村夫妻の設定で、第二子の流産が追加されていた
より一層、沢村夫妻の距離が空いていることが滲み出て演出的に良かったです。
・沢村の部下の西野に婚約者がいる設定
レストランでの今度フィアンセに会わせろという発言は死亡フラグに見えました。部下の死を自分の責任へと考え、より追い込まれていく様が演出されています。
・カエル男の担当医師が双子の姉という設定
漫画ではカエル男には姉はいません。担当医師はふつうのおじさんで、後にカエル男に殺されます。
・カエル男の光線過敏症の理由が心因的なものに変更
これはラストシーンを変えるための設定変更でしょう。映画では、幼少期に両親を殺された強いストレスから生じる後天的な病気という設定です。漫画では、幼少期に両親をバラバラにして殺したのがカエル男であり、先天的な病気という設定です。
映画と漫画の結末
映画版と漫画版とではラストシーンが異なります。漫画版ではバットエンドちっく(作者はもっとバットエンドにしたかった)ですが、映画版ではハッピーエンドに含まれるでしょう。
映画の結末
カエル男を逮捕→事件は一件落着→入院中に姉から薬を投与され殺される?
沢村夫婦の仲が良好に→運動会をビデオ撮影
→息子が首あたりを掻いている姿が映し出される
→光線過敏症発症?(銃を突きつけられるなどの強いストレスによるもの?)
カエル男の継承者が沢村夫婦の息子?という考え方ができ、ハッピーエンドの中に将来不安要素(両親を殺害する?)をラストシーンで盛り込んでいます。
漫画の結末
3つのエンディングの3つ目を言わずにカエル男が逮捕 → 事件は一件落着
数ヶ月後、沢村はカエル事件以降仕事はせず、カウンセリングに通っている模様 → カウンセリングの帰り道?、身に覚えのない古傷が腕にある事に気付く
傷を触った瞬間、カエル男に妻と息子が撃ち殺される映像が脳内で流れ、カエル男による3つ目のエンディングの言葉が響いた『家族3人で天国で暮らすエンディングだ!』 →
場面は代わり息子の誕生日。家族3人仲睦じい光景、両親に挟まれた息子がバースデーケーキのロウソクの火を消すと、ロウソクの煙が線香の煙のように消える...
これが現実の場合はハッピーエンドですが、作者の「もっとバットエンドにしたかったのに止められた」という発言からもこれは幻想と考えられます。
つまりはカエル男が『妻を殺すか?息子を殺すか?』の究極の選択を沢村に提示し、仲間の刑事が駆けつけたあの場面で、
実は妻と息子の2人ともカエル男により撃ち殺され、2人の死を受け入れられない『天国に行けなかった』沢村は1人、仕事を辞めカウンセリングに通う日々を送っていた。という驚くほどのバットエンドです。